3C分析とは
これはマーケティングや経営戦略を立てる際に、「ビジネス環境を漏れなく整理するためのフレームワーク(枠組み)」です。マッキンゼーの元日本支社長、大前研一氏が提唱しました。
以下の3つの「C」の視点で分析を行います。
1. Customer(市場・顧客):相手を知る
まず最初に、「誰に対してビジネスをするのか」を分析します。ここがスタート地点です。
- 市場規模: 市場は大きいか? 成長しているか?
- 顧客ニーズ: 顧客は何を求めているか? どんな悩みがあるか?
- 購買行動: いつ、どこで、どのように買うか?
2. Competitor(競合):ライバルを知る
次に、「誰と戦うのか」を分析します。
- 競合の特定: 誰がライバルか?(直接的なライバルだけでなく、代替品も含む)
- 競合の特徴: ライバルの強み・弱みは?
- 競合のシェア: どのくらい市場を支配しているか?
3. Company(自社):己を知る
最後に、「自分たちは何ができるか」を分析します。
- リソース: 人・モノ・金・情報は十分か?
- 強み・弱み: 自社にしかできない技術やサービスは何か?
- 企業理念: そもそも何を目指している会社か?
分析のゴール:KSF(成功のカギ)を見つけること
ただ3つを調べるだけでは意味がありません。この3つを照らし合わせて、KSF(Key Success Factor:重要成功要因)、つまり「勝ち筋」を見つけることが目的です。
最も理想的な状態は、以下の領域を見つけることです。
「顧客が求めていて(Customer)、競合他社は提供できておらず(Competitor)、自社なら提供できる(Company)」領域
ここを攻めることができれば、ビジネスの勝率はグッと高まります。
3C分析をラーメンやさんの事例で4コマ漫画を考えて
3C分析(Customer/Company/Competitor)は、ビジネス戦略を立てる際の基本となるフレームワークですが、少し難しく感じることもありますよね。
わかりやすく理解していただくために、「行列のできるラーメン屋を目指す店主」 を主人公にした4コマ漫画形式で解説します。
漫画タイトル:『ラーメン屋タカシの野望』
【1コマ目】Customer(市場・顧客):相手を知る
場面: タカシ(店主)が街角で双眼鏡を持って人々を観察している。
タカシの心の声: 「この街の人たちは何を求めてるんだ…? サラリーマンが多いから、やっぱり『早くて安い』のが一番か? いや待てよ、最近は女性客も増えてるから『ヘルシーで小盛り』な需要もあるぞ!」
解説(ナレーション): まずはCustomer(市場・顧客)の分析。ターゲットとなる顧客が「何を求めているか」「市場の規模はどうか」を徹底的にリサーチします。
【2コマ目】Competitor(競合):ライバルを知る
場面: タカシが、駅前の繁盛店「ライバル軒」のゴミ箱(イメージ)を覗いたり、メニューを睨みつけたりしている。
タカシ: 「ぐぬぬ…駅前の『ライバル軒』は豚骨醤油で勝負してるな。しかも『替え玉無料』だと!? あの資本力には勝てない…。でも、あそこの店、スープの味は濃すぎて、後半飽きられてる弱点があるな…」
解説(ナレーション): 次はCompetitor(競合)の分析。ライバル企業の「強み・弱み」「シェア」「戦略」を把握します。真っ向勝負して勝てる相手か、別の土俵で戦うべきかを見極めます。
【3コマ目】Company(自社):己を知る
場面: タカシが自分の店の厨房で、腕組みをして自分の筋肉(実力)を確認している。
タカシ: 「俺の武器は何だ? 資本力はない。スタッフも少ない。だが…実家が農家だから『新鮮な野菜』はタダ同然で手に入る! そして俺にはフレンチで修行した『繊細なスープ作り』の技術がある!」
解説(ナレーション): 最後はCompany(自社)の分析。自社の「リソース(ヒト・モノ・カネ)」「強み・弱み」「企業理念」を再確認します。自分たちにしかできないことは何か?を問いかけます。
【4コマ目】KSF(成功のカギ):勝利の方程式
場面: タカシのお店に行列ができている。看板には『フレンチ風・たっぷり野菜の塩ラーメン』の文字。
タカシ(笑顔): 「駅前のコッテリ豚骨に疲れたサラリーマンと、ヘルシー志向の女性客を、『自慢の野菜×フレンチ技法』で一網打尽だ! これが俺の勝ち筋(KSF)だー!」 客A: 「こういうの待ってた!」 客B: 「野菜うまっ!」
解説(ナレーション): 3つのCを統合して、KSF(Key Success Factor:成功要因)を導き出します。「顧客が求めていて(C1)、競合が提供できず(C2)、自社の強みが生かせる(C3)」ポイントこそが、勝てる戦略です。
4コマ漫画にして!


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