1.故事成語「守株(守株待兎)」の意味
👉 過去に一度うまくいった方法や偶然の成功に固執し、状況が変わっているのに同じやり方を繰り返そうとすること
を意味します。
現在では、正式には「守株待兎(しゅしゅたいと)」という四字熟語として使われることが多いですが、
- 「守株」だけでも
👉 融通が利かない・思考停止
という意味で通じます。
現代的な言い換え
- 成功体験に縛られる
- 環境変化を無視した前例踏襲
- ラッキーを戦略だと勘違いする
2.故事成語が発生した事象(由来)
この故事も、中国・戦国時代の思想書 韓非子に記されています。
由来のエピソード
宋(そう)の国に、農夫がいました。
ある日、彼が畑仕事をしていると、一匹の兎が切り株に激突して死んでしまいます。
農夫はそれを見て考えました。
「こんなに簡単に兎が手に入るなら、
もう畑を耕す必要はない」
そこで農夫は農作業をやめ、
毎日その切り株のそばで兎が来るのを待ち続けました。
しかし――
当然ながら、兎は二度と現れません。
結果、
- 畑は荒れ
- 収穫もなく
- 生活は成り立たなくなった
という結末を迎えます。
ここから生まれた教訓
👉 偶然の成功を再現可能な方法だと勘違いするな
👉 環境は常に変わる
これが「守株(守株待兎)」の本質です。
3.ビジネスシーンでの活用例
① 経営・戦略の見直しで
例
「この商品は10年前にヒットしましたが、
当時の成功体験を守株的に引きずっている可能性があります」
👉
- 市場・顧客・技術が変わっていることを示唆
- 感情論ではなく、構造的な問題として指摘できる
② 中小企業のデジタル化・DXの文脈で
例
「FAX受注が昔うまく回っていたからといって、
今も同じやり方を続けるのは守株になりかねません」
👉
- 前例踏襲のリスクを、強い言葉になりすぎず伝えられる
- DXの必要性を説明する際に非常に相性が良い
③ 営業・マーケティングで
例
「この集客方法は、コロナ前には有効でしたが、
今も通用するとは限らず、守株的な発想になっています」
👉
- チャネルや顧客行動の変化を前提にした議論へ誘導
- 「過去 vs 現在」を整理する軸になる
④ 人材育成・組織運営で
例
「昔はこれで評価された、という話に頼りすぎると
守株になってしまいます」
👉
- ベテランと若手の認識ギャップ整理
- 評価制度・育成方針の更新議論に使える

プロンプト
4コマ漫画を作成して
守株(しゅしゅ)
「棚からぼたもち」を待ち続けて失敗する農夫の物語です。
コマ1
内容: 畑を耕している農夫。目の前でウサギが走ってきて、切り株に頭をぶつけて気絶する。
台詞: 「おわっ!ウサギが勝手に獲れたぞ!ラッキー!」
コマ2
内容: 農夫が豪華なウサギ料理を食べて満足している。
台詞: 「毎日耕すなんてバカらしい。明日からあそこで待とう。」
コマ3
内容: 農夫が切り株の横に座り込み、じーっと野原を見つめている。背景の畑には雑草が生え始めている。
台詞: 「(心の声)さあ、次のウサギよ、来い……!」
コマ4
内容: 季節が過ぎ、畑はボロボロ。農夫はガリガリに痩せ、切り株の前で絶望している。
台詞: 「……一匹も来ない……。」


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